コラム

犬:ダニの寄生に対する予防 猫:ノミ フェレット:ビタミンC欠乏症

ワンちゃん 「今、ニュースで聞かれるダニの寄生に対する予防について」
日が少しずつ伸び、穏やかな日が多くなってきました。ワンちゃんたちはいかがお過ごしでしょうか?このような陽気になってくると散歩が楽しいものになってきます。しかし、元気が出るのは私達やワンちゃんだけではありません。ノミやダニの活動も活発になり元気になっていきます。ノミやダニは草むら山林などに潜んでいて、ワンちゃんがそこを通りかかると身体に寄生し吸血し始めます。
ワンちゃんがノミに寄生された場合、ノミの刺し傷と唾液によってかゆくなったり、皮膚炎を引き起こしたりすることがあります。また、ノミの媒介する瓜実条虫にも感染することもあります。また、大量に寄生すると吸血される量が増えるため、貧血を起こす事もあります。ワンちゃんがダニに寄生された場合は貧血、アレルギー、痒みによる皮膚炎などが起こすことがあります。また、マダニが媒介する感染症としてはバベシア病、ライム病やQ熱などが挙げられます。
ここで、今ニュースでも取り上げられている「殺人ダニ」ついて分かっている範囲で記載します。この病気は重症熱性血小板減少症候群、英語ではsever fever with thrombocytopenia syndrome SFTS。これはブニャウイルス科フレボウイルス属に分類されているSFTSウイルスによって起こされる感染症です。このSFTSウイルスをダニが媒介することで、人で発熱、嘔吐、下痢、頭痛、筋肉痛、神経症状、出血症状などが見られます。日本でこの病気の診断がついたのはここ最近です。中国からの感染の指摘もありますが、中国で流行した感染症とは異なる、渡航歴の無い人が発症したなど、否定的な意見もあります。そのため昔から日本にあった病気で、今までは原因不明だった病気がようやく名前が付いただけとの意見もあります。そして肝心なこのSFTSウイルスのワンちゃんへの感染ですが、このSFTSウイルスが今のところワンちゃんに病気を発症するかどうかは分かっていません。重要な事は病気を怖がる事ではなく、予防することです。様々な病気をダニがワンちゃんに病気を媒介する事は以前からあるためです。予防方法として、ワンちゃんは可能な限り草むら、緑地、山林などに入らないことです。しかし、現実的にワンちゃんは公園などに散歩に行きます。その公園にもダニはいます。そのためワンちゃんにはダニの寄生を予防して出かける事が重要です。さらに冬でもダニは存在します。1年中予防をする事が一番安全と言えます。また、ワンちゃんにマダニが寄生しているのを見つけたらすぐに病院に来て下さい。
人間の予防は長袖、長ズボンを身につけ肌を露出しない事が重要と言えます。そして、一緒にいるワンちゃんのダニの予防を完全にする事です。ワンちゃんのノミ・ダニ予防対策は背中につける薬や、飲み薬など色々あります。予防は最大の治療です。ワンちゃんの予防をしに病院へおいで下さい。

ネコちゃん「ノミ」
 お宅のネコちゃんは痒がっていませんか?そろそろ暖かい日が増えてくる季節になりますので、ノミの活動も徐々に活発になってきます。ノミは猫ちゃんから吸血し、痒みを与えるだけでなく、皮膚炎やアレルギーの原因になったり、細菌や寄生虫を媒介したりする事もあります。ノミが媒介する寄生虫に瓜実条虫という消化管内に寄生する条虫がいます。この条虫をもつノミをグルーミングなどで口にしてしまうと感染します。また、人もノミを口にしてしまう事があれば感染する事があります。人が猫ちゃんに咬まれたり、引っかかれたりして発症する猫引っかき病の原因菌もノミにより運ばれ猫ちゃんに感染して人にうつります。猫ちゃんの毛が変に抜けている所がないか、皮膚に赤みや湿疹ができたりしていないか見てあげてください。また、ノミを見たり、黒い小さなノミの糞を見つけたりしたら駆虫が必要ですので、病院へおいで下さい。

モルモットさん「ビタミンC欠乏症」
ご自宅のモルモットさんは今どのようなご飯を食べていますか?
モルモットさんは、人と同じように、体の中でビタミンCを作ることができない動物です。ビタミンCは体の様々な場所で利用され、たんぱく質の合成など重要な役割を担っています。不足すると、食欲が低下したり、被毛がぼろぼろになったり、骨が変形したり、出血傾向がみられたりします。重症になると、死亡することもあります。
このような病気にならないためには、食事から十分なビタミンCを摂取させてあげることが大切です。モルモットさんは完全な草食動物なので、歯やお腹の健康のためには十分な量の牧草や野菜を食べさせてあげることが重要です。しかし、乾燥させた牧草には、残念ながらあまりビタミンCが含まれていません。牧草以外に、毎日新鮮な野菜も食べさせてあげましょう。水分の少ない緑黄色野菜(小松菜、ブロッコリー、チンゲン菜など)やセロリなどがお勧めです。レタスや白菜、キャベツなどは、嗜好性は高いのですが、水分含量が多く、栄養価は低いため、主要な栄養源には不向きです。おやつ程度に与えるとよいでしょう。果物にもビタミンCを多く含むものがありますが、糖分が多いため、食べすぎは肥満のもとになります。こちらも、おやつとして時々与える程度がよいでしょう。モルモットさんの食事でもう一つ重要なものがペレットです。牧草と合わせて、毎日一定量を与えましょう。モルモットさん専用のペレットにはビタミンCが添加されていますが、それだけでは、通常十分ではありません。また、ビタミンCは劣化しやすいので、製造から時間が経っていたり、保存状態が悪いと、含まれるビタミンCが減っていることがあります。ビタミンCは熱や湿気に弱いので、開封後は、密閉し冷暗所で保存しましょう。小さめの袋で購入し、短いサイクルで買い替えることも、質の良いご飯を食べさせてあげるためには重要です。
ストレスのかかる環境や、病気の治療中、妊娠中であったりすると、通常よりもたくさんのビタミンCが必要になり、食事だけではビタミンCが不足することがあります。モルモットさんも年に1~2回は健康診断を受け、食事についても相談をしてください。