コラム

犬:ワンちゃんの外耳炎 猫ちゃんのクーラー フェレットさんリンパ腫

ワンちゃんの外耳炎
暑いこの季節に多い病気の1つに外耳炎があります。ワンちゃんの外耳とは耳の入り口から鼓膜までの事を言います。外耳は真っ直ぐ下に伸びる垂直耳道と鼓膜に伸びる水平な水平耳道があり外耳道は曲がっています。この部位に問題が起こると外耳炎になります。

 

外耳炎は大きく分けると感染性の外耳炎と非感染性の外耳炎があります。感染性の外耳炎には細菌、真菌、寄生虫などがあり、非感染性にはアレルギー、アトピー、腫瘍などが挙げられます。これらの原因が複雑に絡んでいる場合も多く見られます。症状としては痒み、耳の内側の皮膚の赤み、臭い、黒い耳垢、膿などがみられます。これらの症状を放っておくと、難治性になってしまったり、進行して斜頚などの神経症状が出てしまう場合などがあります。外耳炎は早期発見が重要です。毎日耳をめくって臭いを嗅いで、色を確認してください。おかしいなと思っときはすぐに病院へおいで下さい。

 

 

猫ちゃんのクーラー
梅雨も明け暑い日が続くようになり、エアコンを使っているお宅も増えていると思いますが、お宅の猫ちゃんは元気にしていますか? 暑すぎると猫ちゃんも熱中症の危険性があるためエアコンを使って温度を下げることも必要ですが、下げ過ぎてしまうと冷気は下にたまるので私たちよりも下にいることが多く、体の小さい猫ちゃんは冷えやすく風邪をひいたり、体調を崩したりすることがあります。自由に動き回れる環境なら、より快適なところへ自分で移動できますが、老齢で動きが鈍かったり、ケージに入っていて移動ができない場合注意が必要です。暑過ぎず冷やしすぎず28度前後が適温です。

 

 

フェレットさんのリンパ腫
フェレットさんでよく見られる腫瘍疾患として、インスリノーマ、副腎疾患、リンパ腫があげられます。インスリノーマ、副腎疾患は年を取るとともに発生が増える腫瘍ですが、リンパ腫は若いフェレットさんで多くみられる病気です。

 

リンパ腫は体のあちこちに存在するリンパ組織が腫瘍化する病気です。消化管のリンパ節が腫瘍化すると、消化管を圧迫して食欲不振や下痢を引き起こし、胸の中のリンパ節が腫瘍化すると、肺や心臓を圧迫し呼吸困難を引き起こします。一方で、元気がない、食欲がない、体重が減るなどの、その病気に特有でない症状のみを示す場合も多く、診断には血液検査、レントゲン検査、エコー検査、リンパ節の細胞診などが必要になります。

 

リンパ腫は、腫瘍が一か所にしか見られない場合でも、リンパ液に乗って他の組織に転移している場合が多く、消化管が閉塞しているなどの特殊な場合を除いて、切除手術をすることはほとんどありません。症状の緩和と維持のため、抗がん剤治療が行われることがほとんどですが、根治は望めません。しかし、治療を行うことによって、フェレットさんがしばらくの期間、苦しまず、平和に過ごすことができる場合がありますので、あきらめずに獣医さんと相談しながら治療を受けてみてください。

 

健康に常に気を配り、早期発見を心がけます。元気がない、食欲がないなどの症状の他、体の外から触れるリンパ節(首や鼠けい部)が腫れているなど異常を感じた場合は、早めに動物病院で診察を受けるようにしましょう。