コラム
食生活と健康の管理
ワンちゃん
あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い申し上げます。
正月と言えば、親戚の方々や来客の方々が見え、ご馳走やお菓子をちょうだいしたりなどと、愛犬たちもはしゃいでいるでしょう。このような時期にはよく「フライドチキンの骨を食べてしまった」とか「だんごを串ごと飲み込んでしまった」というワンちゃんが来院します。鳥の骨は硬く、犬が骨を噛み砕いたときに、先がするどく尖ります。この先の尖った骨が食道や胃を傷つけてしまうのです。一方、だんごの串はするどく、過去に胃を突きぬけそのまま皮膚に飛び出してしまったワンちゃんがいました。いずれにしろ、ワンちゃんが食べそうで、危ないものは手の届かないところにおきましょう。
ほかにも、まさかそんなものが?というものが、ワンちゃんの中毒の原因になったりします。たとえば、最近話題にのぼったものとして、キシリトール入りのガムがあります。キシリトールを食べると、膵臓からインシュリン放出がおこり、低血糖が起きます。肝不全に移行するワンちゃんもいます。最悪なケースとして治療のかいなく亡くなってしまうこともあります。また、ブドウやレーズンも中毒の原因となります。食後、嘔吐、下痢をし、腎不全になります。他にも、様々なものが事故の原因になりますので、ワンちゃんが盗み食いをしないように気をつけましょう。万が一何か様子が変だなと気付いた時はすぐに病院に連れて行きましょう。
ネコちゃん
人間と同じようにネコちゃんの世界でも高齢化が進んでいます。かつてネコの平均寿命は8年程度と言われていましたが、食生活や医療の向上、室内飼育の普及などにより今では約15年にまで伸び、最近では20歳くらいまで生きるネコちゃんも決して珍しくありません。年をとるにつれて体の様々な機能が衰えて体力や抵抗力が低下し病気にかかりやすくなるのは人間もネコちゃんも同じです。特に老齢のネコちゃんは腎臓の働きが悪くなることが多いのでお水を飲む量やおしっこの量には日頃から注意して見てあげてください。他にも心臓の病気や骨、関節の病気、歯周病や腫瘍なども増えてきます。体重が減っていないか、尿や便はちゃんと出ているか、体にしこりがないかなど念入りにチェックして少しでもおかしいなと思うことがあれば早めに動物病院へお連れ下さい。老齢のネコちゃんは体が思うように動かず自分の体のお手入れもおろそかになりがちです。健康チェックも兼ねてブラッシングや目ヤニとり、お尻ふきなど体のケアは出来るだけこまめにしてあげましょう。
フェレットさん
お宅のフェレットさんは、目の届かない時に自由に家の中を歩きまわれる環境にいたりしませんか?フェレットさんは食べ物以外のもので様々な物を飲み込んでしまうクセがあり、特にゴム製品を好みます。それは、学習した老齢のフェレットさんよりも、1才以下の若齢のフェレットさんに多く見られます。飲み込まれた様々なものは腸管につまり閉塞を起こすことがあります。つまってしまったらなるべく早く手術などにより取り除く必要があり、放っておくと腸管に穴が開いてしまうこともあります。
このような事故を防ぐためにも、目の届かない時には、ケージ内で飼育するようにしましょう。フェレットさんは脱走の名人でもあるため、ケージには鍵を取り付けるなどの対策も必要です。また、清潔なトイレやハンモックなどの寝床を用意し、快適に過ごせるようにしましょう。