コラム

心臓病は定期検診で予防!

ワンちゃん「心臓病」
心臓とは全身に血液を送る重要な臓器です。心臓には4つの「部屋」があり、それぞれの役割を果たして血液を全身に送り出しています。各部屋の出口には「弁」がついていて、送り出した血液が逆流するのを防いでいます。この弁に異常が起きた時に心臓弁膜症と言う心臓病になります。心臓病には先天性のものと後天性のものがあります。病院にくるワンちゃんの場合、多くは後天性の心臓病です。心臓病を持つワンちゃんの多くは別の病気や、予防注射などの際に来院して心臓に疾患があることが発見されます。
初期の心臓病は症状が出ません。しかし、確実に心臓病は進行します。心臓病は様々な疾患の引き金になります。肝臓、腎臓、肺などの臓器を傷め病気にします。心臓病の進行を完全に止めることはできませんが、お薬を飲むことで確実に心臓病の進行を遅らせることができます。それにより生活の質を維持することが出来ます。7歳をこえたら定期的に病院で検診を受けるようにしましょう。

 

ネコちゃん「避妊・去勢」
健康なネコちゃんに手術するのはかわいそうだから避妊・去勢手術はしたくないという話を時々耳にします。そこで今回は避妊・去勢手術について考えてみましょう。避妊・去勢手術の目的は3つあります。
1つ目は不幸な子猫を増やさないことです。もし不適切な飼育で子ネコが産まれたら最後まで責任をもって育てることができますか?毎年たくさんの子ネコが捨てられ殺処分されているのです。このような不幸な子ネコを増やさないためにも避妊・去勢手術をすることは大切です。2つ目は発情に関連した問題行動を改善することです。去勢をすることで発情期に大きな声で鳴いたり、においの強いスプレーを部屋中にしてしまったり、という問題行動をなくすことができます。3つ目は生殖器の病気を予防することです。メスは避妊をしていないと子宮蓄膿症や乳がんといった致命的な病気の発症率が高くなります。オスは去勢をしないと精巣や前立腺の病気になったり、また不特定多数の相手とケンカや交配をすることでネコエイズなどの感染症にかかる確率が高くなります。避妊・去勢をすればこのような病気を予防することができます。子ネコを産ませたいという明確な目的がないのであれば避妊・去勢手術をしておくことをお勧めします。

 

ウサギさん「斜頸」
首が慢性的に一方に傾いている状態を斜頚といいます。首をずっと傾けているのは、悩んでいるのではなく、病気の症状の1つなのです。斜頸の原因はいくつかあり、細菌感染による中耳炎や内耳炎で耳の奥の平衡器官が侵された時や、エンセファリトゾーンと言う微胞子虫の感染により脳が侵された時、また、強い衝撃で首の筋肉や骨を痛めた時などに起こります。軽い斜頸の場合は、まさに悩み事があるように首をかしげている程度ですが、症状がひどくなると、姿勢を維持することが出来ず、横に倒れたりコロコロと転がってしまうことがあります。姿勢の異常が激しいと、ご飯を食べたり水を飲んだりするのにも助けが必要になるだけでなく、転がった時に体をぶつけたり、床に目を擦って炎症を起こしてしまう危険があります。斜頸は、その原因となる病気によって治療法も様々です。ウサギさんが首をかしげていたら、早めに病院にご相談ください。

 

フェレットちゃん「心臓病」
お宅のフェレットちゃんは毎日元気に過ごしていますか?食欲、元気がなかったり、呼吸が荒かったり、体重が減ったりしていませんか?フェレットちゃんも中、高年齢になると心臓が悪くなることがあります。初めのうちは症状が見られず、病院での聴診やレントゲン検査で発見されることがあります。だんだん悪くなってくると食欲元気がなくなってきたり、体重が減ってきたり、無気力になってきたりします。さらに悪化すると呼吸が苦しく歩くのが難しくなったり、胸腔、腹腔に水分がたまったりします。他に心臓に障害を起こすものとしてフィラリアの感染症があります。フィラリアはフィラリアを持つ蚊に刺されると感染し、フェレットちゃんの心臓や肺で大きくなり障害をおこします。体の小さなフェレットちゃんでは1匹でもフィラリアに感染すると命に関わることのある恐ろしい感染症です。フィラリア症での障害はお薬で予防できますから、しっかり予防しましょう。