コラム

犬:膀胱炎 猫:糖尿病 ウサギ:ツメダニ症

ワンちゃん「膀胱炎」
最近、朝晩涼しくなり、昼間との寒暖差が大きい季節になりました。この時期に多い病気の一つとして膀胱炎があります。それはワンちゃんがあんまり水を飲まなくなるからです。膀胱炎の原因は結石、感染、腫瘍など様々な原因がありますが、多いのは結石による膀胱炎です。膀胱炎の症状には「頻尿」と「血尿」です。「頻尿」とはトイレに短い時間の間に何回も行き、一回の尿量は非常に少ない、または出ていないことが多いのが特徴です。「血尿」とはおしっこの色が薄いピンクから赤い色になることです。結石による膀胱炎の多くは「ストラバト結石」と「シュウ酸アンモニウム結石」によるものです。結石による膀胱炎は治療せず放っておくと結石が大きくなり、内科的な治療では治りづらく外科的な治療すなわち結石の摘出を選択する必要があります。そのため、結石は早期に見つけ治療をすることが必要になります。結石による膀胱炎を予防するためには尿を薄く、排尿の回数を増やすことが重要になります。尿を薄くすることにより、結石ができづらくなります。排尿の回数を増やすことは結石を膀胱内に留める可能性を低くすることができます。 では実際に尿量を増やし、排尿の回数を増やすためにはどのようにすればよいのでしょうか?ご自宅でできる一番の方法は「水分を多く摂取」することです。水分を多く取るためには水を多く飲む必要があります。しかし、水は置いておいてもワンちゃんは必要以上に飲むことはありません。これを解決するために食事に水を混ぜることをお勧めします。食事をふやかして与えることにより、水分を取ることが可能になります。そして、少しずつ接種する水分量を増やすことにより、尿の濃度を薄くでき同時に排尿回数も増やすことができます。

 

膀胱炎の治療は早期に行うことが重要です。早期に行わないと複雑になり、治療に時間がかかりワンちゃんにも飼い主さんにもストレスになります。「頻尿」や「血尿」など、おしっこの状態や出方がおかしいかな?と思ったらすぐに来院して診察を受けてください。

 

 

ネコちゃん「糖尿病」
毎日暑い日からだんだん涼しい日が増えてきました。気候がよくなってくると食欲が増し食べ過ぎたりすることもありますが、 お宅の猫ちゃんは食べ過ぎていませんか? 猫ちゃんも肥満になると様々な病気の危険が高まります。 その一つに糖尿病があります。 糖尿病は血糖値が異常に上昇して様々な臓器に悪影響を与える病気で膵臓から分泌されるインスリンという ホルモンの分泌がうまくいかなくなったり、インスリンに対する体の反応が悪くなったりすることで 血糖値がコントロールできなくなり発症します。 水を飲む量やおしっこの量が増えたり、食べている割に体重が減ったり、食欲、元気がおちたり、吐いたり、下痢したり、 などの症状があらわれますので、おかしいと思ったら早めに病院へおいで下さい。 日頃から体重や食事量に注意し適度な運動を心掛け、太らせないようにしましょう。

 

 

ウサギさん「ツメダニ症」
ツメダニ症はウサギツメダニの寄生により起こる皮膚病で、ウサギさんの外部寄生虫疾患では最もよくみられる病気です。他のウサギさんとの接触がない個体でも発症がみられることから、寄生されていても発症しないウサギさんが多数おり、何らかのストレスがきっかけとなって発症しているのではないかと考えられています。

 

症状は頭の後ろから首や背中にかけての皮膚症状で、皮膚が赤くなったり、毛が抜けたり、フケがたくさん出たりします。多くの場合は、とても痒いので、後ろ足でしきりに引っ掻き、それに伴って皮膚に傷がみられることがあります。しかし、痒みが明らかではない場合もあります。

 

診断は、ウサギツメダニを見つけることによって行われます。患部にセロファンテープを張り付けて顕微鏡で観察すると、足を動かすツメダニの成虫や卵がみられます。しかし、症状は疑わしいにもかかわらず、何回検査してもツメダニが見つからないこともあり、その場合は、症状が重度であれば診断的に治療を行うこともあります。

 

治療はいわゆる駆虫剤を用います。皮下注射、飲み薬、スポットオン製剤などが用いられ、外用薬や薬浴が行われることもあります。1回の治療では完全に駆除できないため、1週間に2回の間隔で、数回にわたり治療を行うのが一般的です。

 

実際には、ツメダニ症単独の発生だけでなく、真菌や細菌の感染を伴うこともあり、症状や治療は一様ではありません。脱毛は飼い主様から見てもわかりやすい症状の一つです。もし、ご自宅のウサギさんの毛が抜けていたり、痒がったり、たくさんフケが出ているようであれば、病院で診察を受けるようにしましょう。