コラム

うさぎの子宮疾患

うさぎの尿中に、あるいはトイレに血液が見られたら注意が必要です。泌尿器疾患だけではなく卵巣子宮疾患に伴う出血の可能性があります。うさぎは加齢に伴って子宮内膜のポリープや過形成、蓄膿症、筋腫、腺癌、肉腫など様々な病気を起こします。
子宮蓄膿症や子宮内膜炎は未経産のうさぎにも起こりうる病気で、パスツレラや黄色ブドウ球菌などの細菌の感染が引き金とされます。軽度であれば抗生物質の投与や輸液で治療できることもありますが、根本治療のためには卵巣子宮摘出手術が必要です。子宮腺癌などの腫瘍性疾患は高齢の雌に多く発生する腫瘍の1つです。ゆっくりと進行しますが転移の可能性もあり、早急な対処が必要となります。肺に転移を起している場合は予後は良くありません。
一般的な症状は排尿の最後の出血や間欠的な血尿のほか、食欲不振や元気消失、体重減少、呼吸困難、腹囲の膨満、攻撃性の増加など様々です。X線検査や超音波検査、一般血液検査などに基づいて診断を行います。いずれも卵巣摘出手術が第一選択となりますが全身状態によっては対症療法に終始せざるを得ないこともあります。予防は不妊手術を行なっておくことです。