コラム

ウサギさん「うさぎの子宮疾患 治療・予防」

<治療>

抗生剤や止血剤などで症状の改善がみられることもありますが、内科療法で子宮疾患を完治させることは困難なため、出血の有無をよく観察していくことが大切です。

血尿を繰り返す、避妊していない雌のウサギさんでは必ず子宮に問題がないことを病院で確認してください。疾患の進行や症状、年齢などに応じて治療方針を決定します。子宮疾患に対する有効な治療方法は、問題のある子宮と同時に卵巣も摘出する卵巣子宮全摘出術を行うことです。しかし、子宮の悪性腫瘍の場合には診断時にすでに肺などへ転移していることもあり外科的な治療が行えないこともあります。この場合には、食欲の維持や呼吸状態の維持、鎮痛や飼育環境改善などできるだけウサギさんに負担がかからないように相談して治療方針を決めることが大切です。

 

<予防>

子宮疾患は3-4歳以上の避妊していない雌のウサギさんがかかりやすいことが確認されています。一番の予防方法は、病気になる前に避妊をすることです。避妊する時期は、ウサギさんが年齢とともに子宮の周囲にたくさんの脂肪を蓄える傾向があることや、年齢とともに他の病気にかかる確率も高くなることを考えると性成熟後の6ヵ月齢から1歳齢くらいがよいと考えています。

また、肥満している場合には麻酔や手術のリスクが高くなるため、適正な体重に落としてから行った方が良い場合もあります。