コラム
フェレットさんの脊索腫(せきさくしゅ)
フェレットさんでは比較的発生頻度の高い腫瘍の一つです。
胎生期にみられる脊索という組織は成長に伴い脊椎になりますが、この脊索が誕生後にも残り 腫瘍化したものを脊索腫といいます。発生部位は尾の先端が最も多く、その他に頚椎での発生も 報告されています。
原因は出生後に椎間板の芯(髄核)として残った脊索から発生する腫瘍です。ヒトでもみら れ、わんちゃんや猫ちゃんなどでも発生が報告されています。
症状は尾の先端に光沢のある丸い腫瘍ができます。小豆大であったものがゴルフボール大より大 きくなることがあります。尾の先端の発生の場合、生活に支障をきたさないことがほとんどです が、大きくなると自分で噛んでしまったり、怪我の原因となったりすることがあります。
一方で、頚部に発生すると腫瘍が椎体へ及ぼす影響の程度に応じて運動失調、後肢の麻痺などの神経症状 を示すことがあります。
治療は尾の先端に発生した腫瘍であれば外科的に切除すれはその後の経過は良好です。しかしながら、頚部に発生した腫瘍は浸潤する可能性が高く、他の臓器への転移性も高いことから治療 が困難になるケースがあります。
予防は早期発見、早期治療が重要です。普段からフェレットさんとコミュニケーションやスキンシップを取り、行動の変化や異常により早く気が付くように心掛けましょう。