コラム
ネコちゃん「ネコさんの白内障について」
楓や紅葉など紅葉が美しく染まり、山々の彩りが豊かな季節となりました。
今回は、視覚、に関する、ネコさんの白内障についてお話しします。
白内障とは、水晶体が混濁し透明性が失われる病気で、視力の低下や
水晶体は、凸レンズの形状をした、ネコさんは厚さ約7.5mmほどの透明の無血管組織で、光を屈折させて網膜に焦点を合わせるはたらきがあります。
65%が水分、35%がたんぱく質から構成され、水晶体繊維の規則正しい配列、代謝、紫外線などからの酸化防止作用によって、透明性が維持されています。
何らかの原因により、たんぱく質のバランスが崩れ、透明な可溶性たんぱく質のクリスタチンが減って、不透明な不溶性たんぱく質のアルブミノイドなどの割合が増えると、水晶体が白濁してしまい、光が散乱して視力が低下してしまいます。
白内障は、水晶体の濁り具合によって、初発、未熟、成熟、過熱とステージが進行していくことが特徴です。
初発、未熟期と、水晶体の濁りが増していき、成熟期では、水晶体が風船のように膨化して破裂してしまいます。
過熟期には、水晶体の中身のたんぱく質が漏れ、水晶体がしぼんでいきます。
水晶体が破裂すると、水晶体起因性ブドウ膜炎が併発することが多く、強い炎症による痛みや、失明してしまうことがあります。
ネコさんの白内障は、わんちゃんと比べると少ない傾向がありますが、原因として遺伝性、加齢性、外傷性、糖尿病などの基礎疾患に付随するものなどがあります。
遺伝性の白内障の好発品種としてベンガルさんが最も多いという研究もありますが、ヒマラヤン、ペルシャなどでも発生が多いとされています。
白内障は進行を抑えるお薬による予防や、早期に治療を開始することが、ネコさんのQOLを維持するためにとても大切です。
無治療のまま進行してしまうと、内科治療を行った場合の65倍、外科治療の255倍、失明のリスクが上がるという報告もあります。
ネコさんは、わんちゃんと比べ、白内障の進行による視力低下を伴わないこともあるため、発見が遅れてしまうことも多いとされています。
おうちのネコさんについて
・目が見えづらそう
・目を気にしている
・目が白く濁っているように見える
など、気になる症状がございましたら、お早めにご相談ください。
