コラム

モルモットの壊血病(かいけつびょう)

モルモットさんは、人間と同じように体の中でビタミンCを作ることができない動物です。そのため、毎日のごはんからビタミンCをしっかりと摂らないと、「壊血病(かいけつびょう)」という病気になってしまいます。

 

壊血病になると、体の中の血管や骨、歯ぐきなどが弱くなり、いろいろな症状が出てきます。最初のうちは、なんとなく元気がない、動きがゆっくりしている、食欲が落ちている…といった小さな変化だけかもしれません。しかし、病気が進むと、歩くと痛そうにしたり、関節が腫れたり、歯ぐきから血が出たりすることもあります。ひどいときには動けなくなってしまうこともあります。その原因のほとんどは、ビタミンC不足です。ビタミンCは光や熱に弱く、時間がたつと減ってしまいます。開封してから何か月も経ったペレットや乾燥した野菜では、必要な量が足りなくなることがあります。また、「普通の牧草と水だけ」で育てていると、ビタミンCがまったく補えず、数週間で壊血病になることもあります。

 

治療では、ビタミンCを直接飲ませたり、食べ物に混ぜたりします。食欲がないときには、注射で補うこともあります。早く気づいてあげられれば、数日で元気を取り戻すこともありますが、発見が遅れると治るまでに時間がかかることがあります。

 

壊血病は、ちょっとした心がけで防げる病気です。毎日新鮮なビタミンC入りのペレットを与えたり、パプリカやブロッコリー、キャベツなどビタミンCを多く含む野菜を少しずつあげましょう。ペレットは、開封してから3か月以内に使い切るのがおすすめです。「いつもより元気がない」「歩き方がおかしい」「ごはんを残す」などのサインが見られたら、早めに相談してください。毎日の小さな観察が、あなたのモルモットさんの健康を守るいちばんの近道です。