コラム

ネコちゃん「腎臓病を予防するごはん」

室内飼育やワクチン、医療の進歩などの影響でおうちのネコさんが長寿化する傾向がありますが、年齢を重ねても元気に過ごすためには、日々のごはんがとても大切です。

特に中高齢のネコさんで多い病気のひとつに慢性腎臓病があり、定期的な健康診断やごはんの管理が発症や進行の予防につながるとされています。

腎臓病予防のためには、ごはんの水分摂取量をしっかり確保することがとても大切です。

おうちのネコさんの祖先は、主に北アフリカや中東、中央アジアなどの草原や半砂漠などの乾燥地帯に生息する、リビアヤマネコ(Felis lybica)という報告があります。

リビアヤマネコはお水の少ない乾燥地に適応するため、水をあまり飲まなくても生きられるよう、必要な水分が体外に排出されすぎないように、腎臓で水分を再吸収して尿を濃縮するという体質を持っています。

ドライフード中心の食生活の場合、慢性的に軽い脱水状態になりやすく、腎臓の血流の低下や濃いおしっこが長年続くことで、腎臓に負担がかかりゆっくり腎臓障害を進める可能性があります。

ウェットフードなどを適度に取り入れたり、常に清潔なお水を複数の場所に用意したりするなどして飲水量を増やすことがとても大切です。

また、過剰なリンや塩分の摂取を避けることも、腎臓への負担軽減につながります。

リンは骨や歯を作ったり、体のエネルギー代謝に関わったりする大事なミネラルですが、体内にリンが増えすぎると、それを排泄しようとして腎臓が無理に働き続けたり、FGF23(線維芽細胞増殖因子)などのホルモンが上昇してリンを無理やり尿に出そうとし、ホルモンのバランスが崩れてしまいます。

 

加工されたフードやおやつに含まれる添加リン(リン酸塩)は、自然の食材に含まれるリン以上に体内に吸収されやすく、急激に血液中のリンの濃度を上昇させるため、腎臓への負担が大きいとされています。

・「総合栄養食」でない「一般食」や「副食」表記のごはん

・安価なドライフード

・スープやとろみ系のレトルトごはん

・ビーフジャーキーやレバーなどの加工肉のおやつ

・レバーや心臓などの内臓肉のおやつ

・煮干しや小魚などを骨ごと食べるおやつ

などには、添加リンが多く含まれており、日常的に摂取し続けると、いつの間にか腎臓へ負担をかけてしまう可能性があり注意が必要です。

しかし、リンを極端に避ける必要はなく、おやつや加工食品は適切な量を守ることと、栄養バランスの取れたごはん選ぶことがとてもです。

「総合栄養食」の表記のあるごはんを主食にし、年齢や体質に応じて腎臓ケア用のフードを取り入れてみたり、おやつを控えめにすることが腎臓を守る第一歩になります。

サプリメントや療法食については、ネコさんの体調や持病によって適不適があるため、病院で相談しながら取り入れることが安心です。

 

腎臓は症状がはっきり出にくい臓器のため、食欲や体重の変化など小さなサインに気づくことが、早期対応につながります。

毎日のごはんは単なるエネルギーの補給ではなく、ネコさんの未来の健康を守るための大切な予防のひとつで、ネコさんの年齢や生活スタイルに合わせた食事管理を心がけることが、健康寿命を長く、ご家族と元気に暮らすための大きな支えになります。

当院では、ごはんのアドバイザーの資格を保有したスタッフも所属しております。

おうちのネコさんのごはんについて、ご不安なこと、ご相談がございましたらご相談ください。