コラム
ワンちゃん「人間だけじゃない!話題の「はしか」の親戚、ジステンパーにご用心!」
あたたかな春の日差しを受けて、お出かけをしたくなる季節ですね。しかし最近麻疹感染者の報告やその移動経路のニュースを見て不安に思う方もいるでしょう。実は、ワンちゃんの世界にもこの麻疹ウイルスの仲間がいるのです。それが「犬ジステンパー」、今回はこの病気について考えてみましょう。
犬ジステンパーウイルスは、人の麻疹ウイルスと同じパラミクソウイルス科モルビリウイルス属に含まれています。特別な治療法がないこと、初期は風邪に似た症状から始まること、二度の発熱が見られること等、麻疹との共通点もいくつかあります。
特に離乳したばかりの子犬にみられる急性期の症状として、感染後1週間で発熱しそれが下がった後に再度の発熱とともに鼻水や咳、結膜炎、消化器症状、脱水や衰弱が見られます。この時皮膚炎の症状が出ることがあり、この場合は回復する可能性があります。しかし、神経症状が出た場合は死亡率が上がります。中にはこの急性期にはっきりした症状が出ず、数週間から数カ月たって神経症状が出る亜急性の発症をする場合もあります。この時回復したものの一部には神経障害が残ることがあります。4歳以上で発症し痙攣や麻痺が出る慢性タイプもあり、このうち6歳以上では「老犬脳炎」と呼ばれるタイプがあり、いわゆる‘ボケ’のような症状がみられることがあります。
感染した場合、麻疹と同じくウイルス自体を攻撃する手段はないため二次感染を防ぐなど対症療法を行ないます。混合ワクチンによって予防することができますが、ワクチンを打つ前に感染していた場合は発症を抑えることができません。このワクチンは一定間隔で接種する必要があり、また狂犬病ワクチンと同時に打つことはできません。
狂犬病と違いワクチン接種義務はありませんが、犬ジステンパーも死亡率の高い病気です。もちろん人間には感染しませんが、ワンちゃん同士ではくしゃみなどを介して感染します。ウイルス自体は消毒に比較的弱いタイプではありますが、動物の体外に排出されてからも短時間ですが生存します。おうちのワンちゃん、そしておともだちを守るためにも、ぜひ混合ワクチンの接種もしていきましょう。
