コラム

エキゾチックアニマルの防災対策

地震や台風、豪雨などの自然災害は、いつ起こるかわかりません。災害が起きたときには、まずは飼い主さん自身の安全を確保することが大切ですが、同時に一緒に暮らしている動物さんの安全についても考える必要があります。

 

特にエキゾチックアニマルは、犬さんや猫さんとは必要な食事や温度管理、飼育環境が大きく異なります。そのため、災害が起きてから準備するのではなく、普段から「もし災害が起きたらどうするか」を考えておくことが大切です。

 

まず準備しておきたいのが、動物さんを安全に移動させるためのキャリーです。地震が起こると家具が倒れたり、物が散乱したりして、普段使用しているケージから動物さんを出すことが難しくなる場合があります。キャリーはすぐに持ち出せる場所に置いておき、普段から動物さんがキャリーに入ることにも慣れてもらいましょう。いざというときに突然キャリーへ入れようとすると、動物さんが強く抵抗してしまうこともあります。普段からキャリーをケージの近くに置いたり、中でおやつを与えたりすることで、キャリーを「怖い場所」にしないことが重要です。

 

次に準備しておきたいのが、普段食べているフードと飲み水です。災害直後は、物流が止まっていつものフードが手に入らなくなる可能性があります。少なくとも数日分、できれば1週間程度を目安に、普段食べているフードを備蓄しておくと安心です。

 

うさぎさんやモルモットさんでは、牧草やペレットなど、普段から食べ慣れているものを準備しておきましょう。食事内容を急に変更すると、食欲が低下したり、消化管の動きが悪くなったりすることがあります。ハムスターさん、チンチラさんなども同様に、災害時だからといって突然いつもと違う食事に変更するのではなく、できるだけ普段と同じ食事を続けられるように準備しておくことが大切です。

 

また、エキゾチックアニマルの防災では、温度管理も非常に重要です。夏場に停電するとエアコンが使用できなくなり、室温が急激に上昇する可能性があります。反対に冬場の停電では、暖房が使えなくなって低体温を起こす危険があります。

 

夏であれば保冷剤や凍らせたペットボトル、冬であれば使い捨てカイロや保温材などを準備しておくとよいでしょう。ただし、カイロや保冷剤を動物さんの体に直接当てるのは危険です。タオルなどを間に挟み、動物さん自身が暑さや寒さから逃げられるスペースを作ることも大切です。また、停電時にも温度を確認できるよう、温度計を準備しておくと安心です。

 

病気の治療中で薬を飲んでいる動物さんでは、薬の備えも重要になります。災害時には、道路状況などによって動物病院へ行くことが難しくなったり、病院が一時的に診療できなくなったりする可能性があります。現在使用している薬の名前や投薬量を記録しておき、普段から薬を切らさないようにしておきましょう。災害時の薬の備えについては、あらかじめかかりつけの動物病院に相談しておくと安心です。

 

さらに、動物さんの診療情報をまとめておくこともおすすめします。名前、動物種、年齢、性別、体重、持病、これまでにかかった病気、現在使用している薬、食べているフード、かかりつけの動物病院などを記録しておきましょう。スマートフォンに保存するだけでなく、紙にも記録して防災バッグに入れておくと、スマートフォンが使えない状況でも役立ちます。動物さんの写真を一緒に保管しておけば、万が一逃げてしまった場合の捜索にも役立ちます。

 

避難についても、普段から確認しておきたいポイントがあります。災害時にペットと一緒に避難することができても、避難所でどのように動物さんを管理するかは、自治体や避難所によって異なります。特にエキゾチックアニマルは、温度管理や食事、ケージなど、犬さんや猫さんとは異なる準備が必要になることがあります。自分の住んでいる地域ではペットを連れてどこへ避難できるのか、事前に確認しておきましょう。

 

また、避難所だけではなく、親族や友人などに一時的に預かってもらえる可能性についても考えておくと安心です。普段から動物さんを預けることができる場所をいくつか考えておけば、避難先の選択肢を増やすことができます。

 

また、避難所だけではなく、親族や友人などに一時的に預かってもらえる可能性についても考えておくと安心です。普段から動物さんを預けることができる場所をいくつか考えておけば、避難先の選択肢を増やすことができます。

 

災害対策というと、特別な防災グッズをたくさん用意しなければならないと思うかもしれません。しかし、まずは普段使っているフードを少し多めに購入しておく、キャリーを取り出しやすい場所に置く、温度管理の方法を考えておく、薬や診療情報をまとめておくなど、身近なことから始めるだけでも十分な備えになります。

 

エキゾチックアニマルは、環境の変化や食事の変化に敏感な動物さんも少なくありません。災害が起きてから慌てて準備するのではなく、動物さんが元気な今だからこそ、「もしものときにどうするか」を考えておきましょう。

 

大切なのは、災害そのものを恐れることではなく、災害が起きたときに動物さんを守るための準備をしておくことです。今日できる小さな準備から始めて、飼い主さんと動物さんの「もしも」に備えていきましょう。