コラム

認知症の予防と治療

ワンちゃん「認知症の予防と治療」
医学の進歩や、飼い主さんの愛情によって、ワンちゃんの高齢化が進むようになってきました。それと同時に認知症のワンちゃんも増えてきました。いわゆる「ボケ・痴呆」です。ワンちゃんの高齢化によって生じる脳の変化が原因で起こります。特に日本犬系のワンちゃん、特に柴犬で多い傾向があります。

家にいるワンちゃんは下記のような症状はありますか?

昔覚えたことが出来なくなる。(「お手!」など)
最近失禁が始まった。トイレで排泄が出来ない。
呼ばれても反応しない。飼い主を認識できない。
歩き始めるとグルグル同心円を描いて歩き続ける。
異常に良く食べるが太らない、痩せていく。
狭い所に入り出てこられない(後退が出来ない)。
壁にぶつかるとそのまま止まり動かなくなる。
昼夜問わずに鳴き、ずっと続く(制止しても止まらない)。
上記のうち、1つでも当てはまる場合は痴呆が始まっているかもしれません。痴呆は少しずつ、しかし確実に進行する病気です。これを予防するためには毎日の食事に注意をする必要があります。例えばDHA(ドコサヘキサエン酸)です。DHAは残った脳細胞が新しい「脚」を延ばし、しんでしまった脳細胞の代わりをします。このDHAは多価不飽和脂肪酸です。いわゆる「油」の一種です。これは体内で作ることはできません。外から摂取することが必要な脂肪酸(必須脂肪酸)です。食事にこの成分を入れて取ることが予防あるいは症状を遅延、改善するために重要になってきます。有名なところではマグロの眼の後ろの脂肪に多く含まれています。しかし、なかなかこれを手に入れることは難しいです。また、食事だけでは限界があります。特に痴呆を発症したワンちゃんを食事のみでのコントロールすることは困難です。最近では薬によって痴呆の症状がかなり改善され、生活の質を上げることが出来るようになりました。痴呆のワンちゃんの介護をすることは本当に大変です。上記1~7の症状が見られたら病院へおいでになりご相談ください。

ネコちゃん「体表のしこり」
お宅では猫ちゃんをよく触っていますか?身体の表面にしこりなどできていませんか?
体の表面にできるしこりにも色々あり、皮膚表面にできるものや、皮膚の下にでききるもの、原因となる病気には腫瘍だけでなく、皮膚病、炎症や外傷、アレルギー疾患などもあります。腫瘍には良性のもの、悪性のものがあり、猫ちゃんの場合、ワンちゃんに比べ、腫瘍の出来る割合が低いのですが、できた場合、悪性である確率はおよそ80%と高く、注意が必要な病気になります。全身毛でおおわれているネコちゃんでは皮膚の状態は分かりにくいかもしれませんが、日頃からよく触ったり、ブラッシングの時など気をつけてみるようにし、しこりを見つけたり、おかしいと思ったら早めに病院に来院してください。

ウサギさん「梅雨」
6月になり湿気の多い季節になってきました。お宅のウサギさんはどのような部屋でお過ごしでしょうか?湿気の多い時期は部屋の中がジメジメしやすくなりますよね。そんな時に注意していただきたいのですが、ウサギさんの過ごす環境です。例えば、普段生活している部屋やケージ内の風通しが悪い、十分な掃除が出来ていないなどということはありませんか?梅雨の時期は湿気が多く、普段よりも細菌やカビが増殖しやすくなっています。そんな時にケージが汚いと、細菌やカビが増えてウサギさんの体調を悪くしてしまうことが少なくありません。
ウサギさんは全身が毛でおおわれており、足の裏まで毛が生えています。そのために汚い床敷きで生活していると、足の裏がむれて、ただれや化膿が起こってしまい、ひどい場合は全身が皮膚病になってしまうこともあります。他にも、細菌やカビを口や鼻から吸い込んでしまうことで、鼻炎や腸炎にかかってしまうこともあります。病気にならないために、なるべくケージは風通しの良い場所に置き、床材をこまめに交換してください。食事も長時間同じものを置いておくのではなく、頻繁に新しい物と交換してあげるとよいでしょう。ウサギさんにとって良い環境づくりをして、病気を予防しましょう。

フェレットさん「フィラリア予防」
梅雨を迎え蒸し暑い日の増えた今日この頃ですが、フェレットちゃんのフィラリア予防は始められていますか?
フィラリアとは犬糸状虫と呼ばれる、そうめんのように細長い寄生虫で、ワンちゃんの病気として有名ですが、フェレットちゃんにも感染することが知られています。この寄生虫はフィラリアの子虫を体内に持つ蚊に刺されると感染し、フェレットちゃんの血液中で大きくなります。大きくなったフィラリア虫体が心臓に入り込むとうっ血性心不全を引き起こし、フェレットちゃんは咳をしたり、呼吸が苦しくなったり、お腹に水がたまったりして、最終的に死に至ります。身体の小さなフェレットさんの場合、残念ながら今のところ治療方法がありません。
しかしながら、毎月一回飲み薬を飲ませてあげることで、フィラリアの感染を予防することが出来ます。予防薬は、蚊が飛び始める時期から、蚊が見られなくなって1カ月後までの4月から12月まで飲ませます。
まだ、予防を始められていない場合は、お早めにご相談ください。