コラム

犬:膀胱結石 猫:火傷 ハムスターさん:疑似冬眠

ワンちゃん「膀胱結石」
 家のワンちゃんのおしっこの量、ニオイ、回数は正常ですが?今回は膀胱結石の話です。 ワンちゃんも膀胱内に結石が出来ます。結石は腎臓、尿管(腎臓から膀胱へ尿を送る管)、膀胱、尿道にできます。それぞれ、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と言います。この中で一番多いのは膀胱結石です。結石の種類も様々で、ストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)、シュウ酸カルシウムなどです。その中でも多いのはストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)です。このストラバイトが出来る理由は①水分摂取量が少ない②食事が偏っている③感染などによります。結石は徐々に大きくなり、数センチの大きさにまで大きく成長します。この大きさになると手術を必要とします。小さい結石の場合は食事の改善や治療によって徐々に小さくする事が出来ます。しかし、小さい結石は消えるからと言って油断はできません。小さい結石は膀胱に傷をつけ出血させたり、膀胱を出て尿道で詰まったりする事もあります。また、膀胱に感染をおこすとおしっこのニオイが臭くなる事があります。これらの場合、尿意も頻回となり何度もおトイレに行く場合もあります。  ワンちゃんがおトイレをしている時は回数、ニオイ、量、に注意をして、異常が見られた時はすぐに病院へおいで下さい。

ネコちゃん「火傷」
 寒い日が続くようになりましたが、お宅の猫ちゃんは元気に過ごしていますか?寒くなるとストーブやペット用ヒートマットなど暖房器具を使うようになりますが、使用には注意が必要です。ストーブに近づき過ぎて火傷したり、ヒートマットでも場合によっては低温火傷をする事があります。コードを咬んで感電して火傷をする事もあります。猫ちゃんは毛で覆われているため、火傷に気付きにくく、気がついた時には皮膚がはがれおちてきたという事が起こる事があります。火傷をした場合はすぐに流水などで冷やし、病院へおいでお連れください。特に、足先の火傷は舐めてしまったり、床に付くので雑菌が入りやすく、治りにくい場所です。火傷の重症度や範囲によってはショック状態になり命が危険な事もあります。火傷が考えられる器具等には日頃から十分注意しましょう。

ハムスターさん「疑似冬眠」
 夜間の冷え込みが厳しくなってきましたが、ご自宅のペットさんのお部屋は暖かくされていますか?ハムスターちゃんが急激な外気温の低下にさらされると、冬眠と呼ばれる状態なることが知られています。これは、野生のハムスターちゃんが厳しい冬場を乗り切るための工夫で、生態活動を低下させることによってエネルギーの消耗を抑えていますが、野生界ではずっと寝ているわけではなく、保温性のよい地下の巣穴で、時々起きだして食事を取ります。 ところが、ご自宅で飼われているハムスターちゃんでも似たような状態になることがあります。これは、疑似冬眠と呼ばれ、疑似冬眠になると呼吸が浅く、脈も遅くなり、体温が低下して、まるで死んでいるかのように見えることもあります。これは、厳密には、冬眠というよりも低体温症と呼ばれる状態で、そのままにしておくと体力を消耗し大変危険です。もし、ハムスターちゃんが疑似冬眠状態になっている場合は、すぐにハムスターちゃんを暖かい場所に移動し、手のひらやタオルでくるみながらゆっくり暖めてあげてください。ペットヒーターや湯たんぽ、ドライヤーなどを活用するのもよいですが、急激に暖めると心臓に負担がかかって危険ですので、直接高温にはさらさないようにしてください。少しずつ動き始めたら、水で薄めたシロップや蜂蜜をなめさせて体力の回復を図ります。どうしたらよいかわからないときは、かかりつけの動物病院にご相談ください。
疑似冬眠を起こさせないためには、とにかく室温を管理してあげることです。個体差がありますが、10~15℃を下回ると疑似冬眠を起こす危険が増すといわれていますので、ハムスターちゃんが生活する環境は少なくとも20℃前後に保つようにしてあげるとよいでしょう。ケージを置く場所は隙間風の当たる場所を避け、特に冷え込む夜中から明け方にかけては毛布やダンボールで周囲を覆うなど、保温の工夫をしてみてください。ペットショップやホームセンターでペット用ヒーターが売られていますので、それらもあわせて活用すると安心です。ヒーターを使う場合には、部屋の一部を暖めるようにしてハムスターちゃんが快適な温度を選べるようにしてあげてください。子供や高齢のハムスターちゃんは特に温度の低下に弱く、一度疑似冬眠になってしまうと回復しないことも多いので、特に気をつけて温度管理を行い、快適な冬を過ごさせてあげてください。