コラム

ウサギさん「うさぎの毛球症」

うさぎは、春・秋の換毛期には、相当量の体毛が抜け換わります。
きれい好きなので毛繕いをし、通常は便とともに排泄されます。
しかし、なんらかの原因によって取り込む毛の量が多くなった時や、胃腸の蠕動運動が低下した時に胃の中に毛玉が形成されます。
うさぎは嘔吐できないため、飼い主様の発見が遅れることが多々あります。
はじめは食欲不振として現れることがほとんどですが、気づくのが遅ければ徐々に衰弱し、死亡することもあります。
診断は、症状や経過の問診、レントゲンやバリウム造影、触診で胃の中の内容物を確認できる場合もあります。
治療はまず内科療法から行います。脱水などの全身状態の悪化を改善するための皮下点滴、胃腸の運動を促進する薬物、毛球を胃から排泄させる毛球症治療ペーストなど積極的な治療を行います。
軽症なものは3~5日程度の内科療法で改善が見られますが、中には完全な閉塞によって、外科手術が必要になるケースもあります。
日頃から牧草などの繊維が多い食事、適度な運動とまめなブラッシングを行うことがよい予防になります。