コラム

ウサギさん「コクシジウム症」

コクシジウム症はコクシジウムという寄生虫がうさぎの腸管に寄生することによって起こります。うさぎに寄生するコクシジウムは9種類あり、それぞれの寄生するコクシジウム原虫の種類により症状は様々ですが、主に腸に寄生する腸コクシジウム症と肝臓に寄生する肝コクシジウム症に分けられます。

コクシジウムに感染している糞には、コクシジウムの卵(虫卵)が含まれていますが、糞が付着した餌などを他のうさぎが採食等をすることで口から感染します。

腸コクシジウム症の主な症状は下痢ですが、重症化すると血便が見られることもあります。とくに幼齢のうさぎは重症化する傾向にあり、食欲不振による衰弱もみられます。

肝コクシジウム症は病原性が強く、食欲不振や激しい下痢、肝臓の腫大、黄疸、腹水も認められ、幼齢のうさぎでは致命的なこともあります。

コクシジウム感染が疑われる場合、サルファ剤などの抗生物質を投与し、駆虫します。また下痢など、それぞれの症状に応じた治療も同時に行います。

コクシジウムに感染しているうさぎやその糞などで汚染された環境には、感染していないうさぎたちを近づかせないようにしましょう。上記のような症状がみられたらすぐに来院してください。もちろん定期的に糞便検査などをすることも重要です。