コラム
フェレットさん「フェレットの胃潰瘍」
原因はストレス、全身に病変や症状がみられる全身性疾患(慢性腎不全、リンパ腫など)、胃酸過多、細菌(Helicobactre mustelae:ヘリコバクター菌)への感染、ステロイド剤などの薬剤の投与、異物摂取などが原因で胃潰瘍となると考えられています。ヘリコバクター菌(Helicobactre mustelae)は 胃に生息する細菌で、ほとんどのフェレットさんが保菌しているといわれています。ヘリコバクター菌と胃潰瘍との因果関係は完全に証明はされていませんが、ヘリコバクター菌のいくつかの種では、菌が放出する物質が胃の粘膜を傷つけ、長期間感染にさらされていると胃に障害をきたすと考えられています。なお、人との間では感染はおこらないとされています。
症状は食欲不振や歯ぎしり、嘔吐、吐血、黒いタール状の軟便、体重の減少などを認めることがありますが、無症状の場合もあります。重度の胃潰瘍になると胃の血管が破れることにより胃内で大量出血することがあり、出血性のショックを引き起こすこともあります。
検査は触診、エコー検査、レントゲン(X線)検査などで診断を行います。確定診断には造影レントゲン検査や内視鏡検査が必要となることもあります。
治療は一般的にヘリコバクター菌を殺菌するための抗菌剤、また、胃粘膜保護剤等の投与を行いますが、長期にわたる治療が必要となります。
予防はフェレットさんになるべくストレスを与えないように、過密飼育や不衛生な環境などを回避しましょう。早期に発見することが重要となりますので、ご自宅ではフェレットさんの便の状態や食欲などをよく観察しましょう。