コラム
ウサギさん 「うさぎの寄生虫疾患①」
消化管内寄生虫
ウサギさんの消化管内寄生虫はいくつかの種類が報告されています。
その中で、愛玩のウサギさんにみられることの多いものはコクシジウムと蟯虫と呼ばれる寄生虫です。
コクシジウムは目で見ることはできないため、便を顕微鏡で検査して寄生虫を確認
します。感染すると子ウサギでは軟便や下痢などの症状がみられることが一般的です。
一方、蟯虫はしばしば数mm程度の白い小さな虫が糞に付着しているのが肉眼で確
認されますが、消化管内に寄生していても明らかな症状がみられないことも多いです。
治療は、消化管内の寄生虫は糞便検査などで診断し、駆虫薬を投与することで治療します。
また下痢の場合、特に子ウサギの下痢は注意が必要で長引くと命に関わることもある
ため、すぐに動物病院を受診してください。
麦類やビスケットなどを与えることで下痢や軟便がひどくなることもあるため、糞
に異常がみられる場合は与えるのをやめて牧草を主体とした食事に変更してください。
また、寄生虫や感染性の疾患、糞便による皮膚炎を予防するためには常に清潔な環
境を維持することが大切です。軟便や下痢の場合には糞による陰部の汚れが非常にひ
どく放っておくとひどい皮膚炎の原因になってしまいます。
陰部の汚れはできる限りきれいにふき取るようにし、ひどい場合には毛を剃ったり、
局所的にシャンプーをしなければならないこともありますので相談してください。