コラム

フェレットのインフルエンザ

毎年1、2月になると、インフルエンザの流行がニュースになりますが、この時期はフェレットにもインフルエンザが発生します。重症になるケースも多く、早めの対応が必要です。

 

原因はインフルエンザウイルスの感染によります。多くが人由来のウイルスですので、人での流行時期(1~2月)に発生します。

 

症状は少しずつ悪化するというよりも、症状が出始めて1~2日で急激に悪くなるケースが多いようです。40℃前後の発熱で、ぐったりして動かなくなるのが特徴です。発咳する事が多いですが、ない場合もあります。発熱による脱水症状が進むと多臓器不全を起こして死亡の危険があります。

 

インフルエンザの確定診断は難しいのですが、ほとんどが、飼い主など身近な人間からの感染ですので、発熱があって、周囲にインフルエンザにかかっている人がいる場合は強く疑われます。また、インフルエンザ診断キットで判定することも可能です。

 

治療には、脱水症状がある場合は、まず最初に皮下または静脈内に点滴を行います。発熱に対しては消炎剤や解熱剤を使用します。また、肺炎等の二次感染予防のために、抗生剤を投与します。これらの治療と同時に、症状に合わせて、鎮咳剤やビタミン剤を使用する場合があります。内服が難しい場合はすべて注射で投与されます。 食欲がない場合は、ふやかしたフードや流動食をスポイト等で飲ませて、体力低下を防ぎます。人間で使用される抗ウイルス薬も効果的ですが、フェレットに対する安全性が確認されていないために、使用には十分な注意が必要です。

 

以上の治療が早期に行われれば数日以内に改善するが普通ですが、体力のない若いフェレットや老齢のフェレットでは、二次感染などの合併症や脱水症状から重症化する場合がありますので早めの対応が必要です。