コラム
「ハムスターさんの食欲減少」
ハムスターさんがごはんを食べなくなる理由として、様々な要因が考えられます。前回、前々回の2回にわたりお話をしてきました。今回で最後になります。最後は⑶疾患(病気)についてです。
現在、飼育されているハムスターさんがごはんを食べていないときは、下記の3項目を確認してください。
⑴周囲の環境
⑵不正咬合
⑶疾患(病気)
⑶疾患
疾患による食欲減少は外傷や内臓疾患による痛みや、胃腸の動きが悪くなることによる吐き気などからくることが多いです。その中でもハムスターさんで特に多いのは以下の通りです。
①腫瘍
腫瘍になりやすい子達で、体表の出来物であればすぐ気が付きますが、お腹の中の出来物だとなかなか気が付きにくいものです。しかし、お腹の中にできたものだと直接食欲低下に関わって来てしまうので、少しでも気になることがあるようなら、病院へ行きましょう。
②頬袋の炎症
頬袋に餌を溜め込む習性があるため、その餌により頬袋を傷つけてしまったり、餌を長期間溜め込みすぎて細菌感染が生じてしまったりすることがあります。それにより頬袋に炎症が生じてしまい、食欲の低下が生じてしまいます。診断には口の中をよく観察する必要があるため、病院にて特殊な器具を用いなければ発見することが難しいです。
③胃腸のトラブル
人でもよく起こる胃腸炎ですが、ハムスターさんでも頻繁に起こってしまいます。原因としては感染やアレルギーが多く、胃腸の動きが悪くなることで食欲が低下してしまいます。抗生剤などで良くなることが多いですが、悪化してしまうと脱腸などに繋がり命に関わることもある病気です。
④加齢
ハムスターさんの寿命は約3年と言われています。2歳を過ぎると、お年寄りの仲間入りといっても過言ではありません。老齢のハムスターさんは食事量が減ったり、硬いものが食べられなくなったりします。そのため、若かりし頃からあげていた硬いごはんではなく、柔らかいごはんに変えてあげましょう。また、食事量の減少に伴って、体重も減少してしまうことがあります。可能なら毎日、体重測定をしてあげて常に気を配ってあげましょう。
以上が餌を食べなくなる理由です。
ハムスターさんがごはんを食べなくなったら、飼育環境を確認したうえで病院に連れて行ってあげましょう。