春は予防の季節です。

今回は、ネコさんのワクチンについてお伝えします。

ワンちゃんは狂犬病予防法という法律で、年1回の狂犬病ワクチンの接種が義務化されていますが、実はネコさんにも、感染症を予防するためのワクチンがあります。特に、免疫力が低い幼齢や高齢の子、多頭飼育や外飼いの子では感染のリスクが高いため、ワクチン接種が推奨されています。

ネコさんのワクチンには、すべての子が接種すべきコアワクチンと、感染リスクが高い環境で生活する子に接種してほしいノンコアワクチンがあります。

コアワクチンは、猫汎白血球減少症(パルボウイルス感染症)、猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウイルス感染症)、猫カリシウイルス感染症の３つの感染症を予防でき、「3種混合ワクチン」と呼ばれています。

この感染症は、感染力が強くて致死率が高く、回復しても体内からウイルスを排出し続け、他のネコさんに感染させてしまうことがある病気です。

原因のウイルスは、妊娠中のお母さんから胎児に感染したり、飼い主さまの手や衣服を介したりして運ばれ、室内飼いのネコさんにも感染させるリスクがあります。

ノンコアワクチンは、クラミジア感染症、猫白血病ウイルス感染症、猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)などを予防することができます。ネコさんの生活環境、居住地域などを考慮し、何を予防するかによって、混合ワクチンの種類が複数あります。

ただし、ワクチン接種には副作用もあります。

接種後のお顔の膨れ、皮膚のかゆみや発疹、下痢嘔吐、発熱、元気がない、呼吸が苦しそうなどの症状が生じるアナフィラキシーショックが生じる場合があります。

また、ネコさんの場合、接種部位にワクチン接種部位肉腫ができてしまうこともあります。

恐ろしい病気からネコさんを守るために、ワクチンはとても大切です。ただし、副作用についても、しっかりと理解をした上で、いつどんなワクチンを接種すべきか、ネコさんにとって最善の選択をしてあげることも飼い主さまの役目です。

ワクチンが初めての方や、接種のタイミングなど、ご不安なこと、分からないこと等がございましたら、来院時、ご相談ください。