コラム

ワンちゃん 「マダニに注意!」

夏真っ盛りの時期ですね。暑すぎてお出かけを諦め、今から秋の行楽シーズンの計画を立てている方もいるかもしれません。今回は、そんなお出かけの時に気を付けたいマダニについて考えてみましょう。

 

一般的にマダニがいるのは山林や川の土手の草むらだといわれてきました。しかし、近年都会でも野生動物が進出してきた影響もあり、都市部の公園などでもマダニが見られるようになりました。また、マダニのシーズンは成虫の多い春と思われがちですが、実は秋も幼ダニや若ダニが多くみられます。特にワンちゃんは草むらなどが気になって近づいたり突っ込んだりしてしまいがちです。マダニたちはそうした瞬間を待っているのです。

 

マダニによる影響でまず思いつくのは近年何度かニュースにもなったSFTS(重症熱性血小板減少症候群)かもしれません。もちろんこれも大きな問題ではありますが、ワンちゃんの場合近年全国的に広がりを見せているのがバベシア症です。これはバベシア原虫という寄生虫による病気で、この寄生虫がワンちゃんの赤血球をどんどん破壊してしまいます。重度の貧血を起こすことがあり、黄疸や衰弱で死んでしまうこともあります。

 

マダニ自体が大量に寄生するだけでも貧血を起こしてしまうことがあります。また、少量の寄生でも吸血された場所に皮膚炎を起こすこともあります。これはかなりワンちゃんにとってストレスになりますし、マダニを家に持ち込んでしまうことで飼い主さんやご家族への被害も生じることでしょう。

もしワンちゃんにマダニがついているのを見つけたら、無理に取ろうとせずすぐに来院するようにしましょう。