コラム

ワンちゃん「避妊と去勢」

暦の上では秋になりましたがまだまだお散歩には暑すぎる日が続きますね。お散歩をしたいワンちゃんと、涼しい時間を選びたい飼い主さんとの攻防戦が繰り広げられたおうちもあるかもしれません。
さて、今回はおうちで飼うほとんどのワンちゃんにとって必須となる避妊・去勢について考えてみましょう。

おうちにいる多くのワンちゃんが、避妊や去勢をしていると思います。これは、不用意に繁殖させてしまったり、発情による問題行動を抑えたり、生殖器系の病気のリスクをなくすための処置になります。特に近年ワンちゃんたちも長生きするようになったこともあり、何も処置をしなければ生殖巣(卵巣や精巣)の腫瘍や乳腺腫瘍も発生する可能性はより高まると考えられます。これらの腫瘍は正しいタイミングで避妊去勢手術をすることで発生率を100分の1以下にできるという報告もあります。
現在までに様々な犬種が生み出されてきましたが、その中には遺伝病のリスクを高く持ってしまう犬種もいます。ブリーダーなどでそうしたリスクが少なくなるように掛け合わせて犬種を維持していることが多いですが、無計画な繁殖によりそうした病気を抱えたワンちゃんを生み出さないためにも一般家庭では特に繁殖させないための処置が必要です。また、増え過ぎた結果飼いきれずに保健所に送らざるを得なくなる問題も時々ニュースで見るかもしれません。こうしたかわいそうなワンちゃんも、正しく避妊去勢をすればなくすことができます。

 

ただし、避妊去勢手術をうけることにももちろんリスクはあります。麻酔によるリスクもそうですが、ホルモンバランスの変化により肥満になりやすくなったり、尿失禁を起こしやすくなったりするとの報告もあります(尿失禁については諸説あります)。

 

避妊去勢に最も適した時期は、一部の犬種を除いて初回発情を迎える直前の生後半年ほどとされています。それを過ぎてしまっても手術自体は多くの場合可能なので、もう遅いからいいやと思わずにぜひ相談してくださいね。