コラム

ワンちゃん「チェリーアイ」

暖かくなったお花見の時期、スギ花粉が猛威を振るっていますがヒノキ花粉も徐々に牙を剥き始めましたね。花粉症にとってはつらい時期です。目が痒くてたまらないという方もいるかもしれませんが、今回はワンちゃんの目に赤いできものができてしまう、チェリーアイについて考えてみましょう。

 

チェリーアイとは、正式には第三眼瞼腺脱出といい、ワンちゃんの目頭にある第三眼瞼、いわゆる瞬膜が赤く腫れて飛び出してしまう病気です。第三眼瞼は下瞼の内側にあり、眼球を保護したり涙を分泌したりしていますが、先天的にこの第三眼瞼の付着が緩い1歳未満のワンちゃんではこれが飛び出してしまい、乾燥などによって炎症を引き起こしてしまいます。ビーグルやペキニーズ、フレンチブルドッグなどがなりやすい犬種とされていますが、他の犬種でもなることがあります。
第三眼瞼が飛び出す以外にみられる症状としては、目を気にしている、涙が多いなどがあります。この脱出自体は、片目だけに起こることもあれば両目に起こることもあり、また同時に発症するとも限りません。

 

治療として、以前は飛び出した第三眼瞼を切除する方法が取られましたが、これによる副作用として涙が不足して乾性角結膜炎を起こすことが多く、近年は炎症を目薬などで抑えたり、飛び出した第三眼瞼を正常な位置で縫い付けたり方法が取られます。しかし、再発の可能性をなくせないのが現状です。原因に遺伝的な要素が大きいため予防もできません。

 

基本的にチェリーアイは外傷などによるものを除き先天性の原因であることがほとんどです。このため、発症する子はほとんどが若いワンちゃんで、高齢になってからなることは稀です。高齢の子で目に赤いできものがある場合は腫瘍の可能性もあるため、早めに検査をするようにしましょう。