コラム

ハムスターさん「ハムスターさんの下痢」

ハムスターさんの下痢は、飼い主さんにとって気がかりな変化のひとつです。普段は乾いたフンを落としているはずの場所が湿っていたり、トイレ砂がべたついていたりすると、いち早く体の異変を疑うきっかけになります。体が小さなハムスターさんは体内の水分量が限られているため、下痢による水分の喪失が短時間で体調に影響しやすいという特徴があります。

 

下痢の原因にはいくつかのパターンがあります。慣れない食材や糖分の多いおやつ、急なフード変更などによって腸内細菌のバランスが乱れるケースは比較的多くみられます。温度の急変や騒音といった環境ストレスが腸の動きを乱し、機能性の下痢につながることもあります。一方で、特に若いハムスターさんでは「増殖性大腸炎(ウェットテイル)」と呼ばれる重い腸の病気が隠れている場合があり、これは進行が早く、専門的な治療が必要となる疾患です。

 

飼い主さんがまず取り組めるのは、腸に余計な負担をかけない環境作りです。野菜や果物は一度休ませ、普段のペレット中心の食事に戻してあげると、腸内環境が落ち着きやすくなります。ケージ内の温度が下がりすぎていないか、寝床が湿っていないか、最近ストレスとなるような出来事がなかったかなど、環境面の見直しも効果的です。こうした初期対応で改善してくれるハムスターさんも多くいます。

ただし、次のような症状がある場合は、自己判断で様子を見るよりも、動物病院での診察が必要です。水様便(みずっぽい下痢)が続く、食欲の低下や体重の減少、活動性の低下、被毛の乱れ、肛門まわりの著しい汚れ、呼吸が浅い、苦しそうに見える、これらは、腸炎や感染症、脱水などが進行しているサインであり、ハムスターさんの治療には使用できる薬剤の種類が限られているため、適切な抗生物質や補液などの獣医師による対応が欠かせません。

 

ハムスターさんは体が小さいぶん、症状の進行が早い傾向があります。しかし同時に、環境を整えてあげるだけで驚くほど回復してくれることもある、とても繊細で愛らしい存在です。日ごろの観察と、ちょっとした変化に気づく目を持つことが、ハムスターさんの健康を守るうえで大きな力になります。