コラム

ネコちゃん「ネコさんの動きの変化」

今回はネコさんの変形性関節症についてお話します。

変形性関節症(OA:Osteoarthritis)とは、関節のクッションの役割をしている軟骨がすり減ったり、関節に炎症が起こることで慢性的な痛みが生じる病気です。

ネコさんでは加齢とともに増加し、中高齢のネコさんで多い傾向がありますが、1歳以上のネコさんの約75%に変形性関節症の所見がみられるという報告もあります。

 

ネコさんの変形性関節症は、肘、膝、股関節、足根関節などさまざまな部位に発生し、部位によって症状も様々です。

おうちのネコさんにおいて、

 

・立った時の鼻の高さより高い場所へのジャンプを嫌がる

・キャットタワーや棚に登らなくなった

・高い場所から降りる時にためらう

・階段を使わなくなった

・遊ぶ時間が減った

・昼間に寝ていることが増えた

・毛づくろいが減り、毛並みが乱れる

・爪とぎが下手になった、爪が伸びるのが早くなった

・抱っこや体を触られることを嫌がる

・トイレの出入りを嫌がる

・体重が増えてきた

などの症状がみられる場合、老化の影響だけでなく、変形性関節症などの関節の痛みのサインの可能性があります。

 

変形性関節症の治療は、痛みのコントロールと、体重管理、生活環境の改善などの対処療法が中心となります。

近年では、2023年に注射薬の発売が始まるなど、治療の選択肢も増えてきました。

痛みに関わる神経成長因子(NGF)に作用するモノクローナル抗体製剤で、活動性やジャンプ行動の改善などの効果が期待できるとされています。

 

また、肥満は関節への負担を増やし、変形性関節症の進行リスクを高めるため、体重管理は関節疾患の予防・進行抑制にとても重要です。

当院では、体型の評価(BCS)の確認を行い、おうちのネコさんの年齢、体格、生活環境、持病に合わせたごはんの指導や体重コントロールを行っております。

 

変形性関節症は、治らない病気ではありますが、早めに気づき、痛みをコントロールしてあげることで、ネコさんの生活の質(QOL)が変わる可能性があります。

しかし、動物病院を整形疾患で受診するネコさんは全体の2〜3%ほどという報告もあり、多くのネコさんが、気づかれないまま痛みを抱えて生活している可能性があります。

おうちのネコさんで気になる変化がありましたら、お早めにご相談ください。