コラム

寒暖の差の激しい時期の体調管理

ワンちゃん「下痢」
寒暖の差が大きく、体調管理が難しい時期になってきました。この時期は下痢をするワンちゃんも多くいます。
下痢はワンちゃんの病気の中で最も多い病気と言える胃腸の疾患です。下痢と言っても様々な原因によって起こり、腸の様々な部位で起こり、便の状態も様々です。原因としては細菌、真菌、ウイルス、原虫、寄生虫、腫瘍、内臓疾患、ストレス、免疫疾患などによって起こります。下痢が起こる部位は腸全体や小腸、大腸、時には胃の場合など様々です。便の状態は糞を持てるが下に跡が残る「やや軟」、糞を持てないが形はかろうじて残る「軟」、便の形をしていない「下痢」、血の臭いや赤い色の「血便」、真黒い便「メレナ」 、ゼリー状の物が便に付いている「粘膜便」などがあります。
治療としては食事量のコントロールや整腸剤で治る場合から、点滴や抗生物質、駆虫薬など様々な治療が必要な物まで様々です。時には命に関わる下痢もあります。たかが下痢とは思わず、早く病院へおいで下さい。

猫ちゃん「結膜炎・角膜炎」
お宅の猫ちゃんは目ヤニや涙が多かったり、目をしょぼつかせたり閉じてしまったりしていませんか?目の結膜や角膜は外界と接しているので、ゴミや細菌などが入りやすく炎症を起こしやすい所です。他にケンカによるキズやヘルペスウイルスやカリシウイルスなどのウイルス感染、アレルギーでも炎症を起こしたり、免疫の問題で涙が出にくくなって目が乾燥し炎症が起きやすい状態になることもあります。
炎症が起きると痒がったり痛がったり、涙が増えたり、白目が赤くなったり、腫れたり、目をつぶってしまったり等の症状がみられます。痒みから目をこすったりかいたりしてしまうと、核膜にキズを付けてしまうこともあります。角膜は本来透明ですが、傷ついたり炎症が起きたりすると、血管が伸びて来て白く濁ってくることがあります。その後上手く修復が出来ないと濁りが残ってしまったり、核膜の損傷が深くなってしまうと、潰瘍になったり、目の中まで炎症が広がり、失明してしまうこともあります。目の病気は早ければ点眼などで治ることもありますが、ひどくなると治らなかったり、外科的処置が必要になることもありますので、おかしいと思ったら早めに病院へおいで下さい。

フェレットちゃん「フェレットのインフルエンザ」
寒くなりインフルエンザによる学級閉鎖の話が聞かれるようになりました。ご注意ください。ところで、人のインフルエンザがフェレットちゃんにうつると言うことはご存知でしょうか?すべてではありませんが、人に感染し発症させるインフルエンザウイルスのいくつかのタイプがフェレットちゃんにも感染することが知られています。
症状は感染から2-3日の潜伏期間の後、まずクシャミ鼻水が出てくるようになります。ひどくなると咳をし、肺炎を引き起こす場合もあります。また、最初は涙目だったものが、段々目ヤニとなり、食欲もなります。下痢が認められることもあります。大人のフェレットちゃんでは死亡することはまれで、1-2週間程度で治癒しますが、子供や高齢のフェレットさんなど免疫力が弱く体力の無い個体ではひどくなると死にいたることもあります。
ちりょうは、主に支持治療が行われます。室内を暖かくし、水分を補給して、栄養を付けてあげます。栄養剤や二次感染の予防に抗生剤が投与されることがあります。
予防は飼い主自身がインフルエンザを持ちこまないように気を付けることです。冬は外から帰ったらよく手を洗い、うがいをしてからフェレットさんと接してください。もし、インフルエンザに感染してしまったら、感染していない家族に世話を頼むか、マスクなどで保護をして、フェレットちゃんにうつらないよう気をつけてあげましょう。上記のような症状は、インフルエンザだけでなくジステンパーのような致死的な病気の際にも見られることがあります。もし、フェレットさんが咳をしたり鼻水が見られる場合は暖かくしてお早めに病院へおいで下さい。