コラム

ハリネズミさん 「ハリネズミの歯周病」

ハリネズミさんでは歯肉炎・歯周炎などの歯周病が一般的です。特に高齢になってくると起こりやすい病気です。また、歯周病は歯の周囲だけの病気ではありません。細菌は血流に乗って全身を巡り、肝臓や腎臓などの内臓疾患を引き起こすとも言われてます。

 

口が臭い、歯の変色、歯肉が赤くなり腫れる、歯がぐらつく、歯が長くなったように見える(歯肉が退縮して)、歯が抜けるといった症状が見られます。口腔内に痛みがあるため固いフードを拒む、食事に時間がかかる、食欲が落ちる等もあります。また、唾液が増えたり、痛みや違和感から口元をしきりに気にする仕草をします。

 

ものを食べると歯の表面に食べ物カスが付着し、これをエサにして増殖した細菌の塊を歯垢といいます。歯垢は時間が経つと固い歯石となって歯にこびりつき、歯と歯肉の隙間に入り込んで、炎症を起こし歯周病となります。缶詰・ふやかしたフード等ばかりを与えられているハリネズミさんは歯石がつきやすい傾向があり、糖質の高い果物やフード(ドックフードのモイストタイプ等)、炭水化物の多い食餌(パン・クッキー)では虫歯を引き起こす原因にもなります。また偏った食事により、ビタミン・ミネラル不足による抵抗力の低下が原因で、歯肉炎等や口内炎が起きる場合もありますまた、ハリネズミさんは口腔内に雑菌が非常に多く、硬いフードのかけら等で口腔内を傷つけ、同様の症状が出る場合も多々あります。特に、ハリネズミさん同士が喧嘩して噛むと相手が炎症をおこしやすいので注意してください。

 

治療は、麻酔をかけ歯石の除去や、抗生剤の投与などを行います。歯石除去を行っても、そのあとの歯の手入れを怠ればまた歯石がついてしまいます。また、進行によっては抜歯も行います。

 

ドライタイプのフードのようにある程度固さのある食べ物、昆虫類のように繊維の多い食べ物は、かじる時に歯石をとる役割をしています。また、口腔内に垂らす液体歯磨き(犬猫用)を使ったり、かじって遊ぶおもちゃを与えると言う方法も良いでしょう。