コラム

「ネコさんには猫さん用フードを!」

ヒトと動物では、必須アミノ酸が異なります。

ヒトではフェニルアラニン・バリン・トリプトファン・メチオニン・スレオニン・ヒスチジン・イソロイシン・ロイシン・リジンの9種類、犬ではこれにアルギニンを含めた10種類、猫ではアルギニン・タウリンを含めた11種類が必須アミノ酸とされています(厳密にはタウリンはアミノ酸ではありません)。

 

アルギニンはアンモニアを尿酸をして排泄するのに必要なアミノ酸であり、アンモニアが溜まると肝性脳症という神経症状を起こすことがあります。

タウリンは胆汁の生成や、心筋の収縮、皮膚のバリア機能に関わっており、欠乏すると網膜変性や拡張型心筋症などの病気が起こることがあります。

 

また猫さんで重要な栄養素にナイアシン(ビタミンB3)があります。

脂肪をミトコンドリアに輸送し酸化するのに、L-カルニチンという因子が使われますが、ナイアシン(ビタミンB3)はこのカルニチンの材料となるため、不足すると脂肪の酸化が阻害されてしまいます。ナイアシンは体内で合成することができますが、猫さんはこの合成能が非常に低いため、食事から摂る必要があります。

 

これら3つの栄養素はいずれも肉類に多く含まれており、肉食である猫は食餌から十分に摂取できるため、進化するうえで合成能が低下したと考えられます。

 

また猫さんは犬さんに比べタンパク質を多く必要としますので、猫さんに犬用フードを与えていると栄養不足になってしまいます。猫さんには必ず猫さん専用のフードを与えるようにしましょう。手作りのごはんを与えている場合にも、栄養バランスに注意してあげてください。