コラム

フェレットさんの感染予防

前回、フェレットの感染予防の1つ「犬ジステンパー」のお話をしました。

今回は「犬糸状虫(フィラリア)」です。

 

(2)犬糸状虫症(フィラリア)

多種の寄生虫の感染が認められます。ただし,室内で飼育されている個体については,通常は検出される寄生虫の種は限られます.内部寄生虫としては,日本においては,瓜実条虫や猫回虫、東洋眼虫、犬糸状虫の発生が知られていますが,その病害性を考えれば、犬糸状虫症がもっとも重要です。

 

犬糸状虫は,犬及びその他のイヌ科動物を主たる終宿主とする線虫です。ただし,本線虫は,猫に寄生することもあり,また,フェレットさんにも寄生します。特にフェレットさんは,犬糸状虫にとって好適な終宿主となり,第3期感染幼虫の感染を受けると,高率に寄生が成立します.フェレットさんの心臓は犬に比べてきわめて小さいため,ごく少数の犬糸状虫成虫の寄生を受けただけでも,容易に死に至ることが多いです.したがって,蚊の吸血を受ける機会がある環境で飼育されているフェレットさんに対しては,犬糸状虫症の予防薬を投与することを推奨します。