コラム

ウサギさん 「精巣腫瘍」

うさぎさんの体表に、できものやしこりを発見した場合、その正体がまったくわからないと、不安になるでしょう。正体が予想できたとしても、家でしてあげられることは多くはないかもしれません。ですが、まったく予想がつかないよりも、漠然とでも予想できた方が、得体のわからない怖さからは解放されます。正体がわからなければ、どうしてあげるのがいいのか、判断が難しくもなります。正体が予想できれば、対応策もみつけやすくなります。

 

今回は、うさぎさんの皮膚のできもの(しこり)や、腫瘍で見かけることが多いものを、6パターンにわけて解説します。

これまで、膿瘍、乳腺腫瘍のお話をしてきました。今回は精巣腫瘍です。

 

③ 精巣腫瘍

 

精巣が腫大していることで気づくことができます。精巣が大きくなっても排尿障害は生じません。精巣腫瘍は高齢のうさぎさんに好発します。うさぎさんの精巣腫瘍は片側性のことが多いです。反対側の精巣は萎縮していることが多いです。

一般的に疼痛(痛み)はなく、元気食欲もあることが多いです。しかし、放置していると、湿性皮膚炎を引き起こすことも多く、手術適応となることが多いです。