コラム

ウサギさん 「陰嚢ヘルニア」

うさぎさんの体表に、できものやしこりを発見した場合、その正体がまったくわからないと、不安になるでしょう。正体が予想できたとしても、家でしてあげられることは多くはないかもしれません。ですが、まったく予想がつかないよりも、漠然とでも予想できた方が、得体のわからない怖さからは解放されます。正体がわからなければ、どうしてあげるのがいいのか、判断が難しくもなります。正体が予想できれば、対応策もみつけやすくなります。

 

今回は、うさぎさんの皮膚のできもの(しこり)や、腫瘍で見かけることが多いものを、6パターンにわけて解説します。

これまで、膿瘍、乳腺腫瘍、精巣腫瘍のお話をしてきました。今回は陰嚢ヘルニアです。

 

④ 陰嚢ヘルニア

陰嚢が大きくなっていることで気づきます。うさぎさんの陰嚢ヘルニアは、内部に膀胱が入っていることが多いです。そのため、排尿障害や膀胱内スラッジ貯留(砂粒症)、膀胱炎を併発します。

治療としては陰嚢切開して膀胱を腹腔内にもどす手術です。さらに去勢手術をして再発を防ぎます。