コラム

ウサギさん「その他 体表 腫瘍」

うさぎさんの体表に、できものやしこりを発見した場合、その正体がまったくわからないと、不安になるでしょう。正体が予想できたとしても、家でしてあげられることは多くはないかもしれません。ですが、まったく予想がつかないよりも、漠然とでも予想できた方が、得体のわからない怖さからは解放されます。正体がわからなければ、どうしてあげるのがいいのか、判断が難しくもなります。正体が予想できれば、対応策もみつけやすくなります。

今回は、うさぎさんの皮膚のできもの(しこり)や、腫瘍で見かけることが多いものを、6パターンにわけて解説します。

これまで、膿瘍、乳腺腫瘍、精巣腫瘍、陰嚢ヘルニア、ウサギ梅毒(トレポネーマ症)のお話をしてきました。今回は最終回その他の体表腫瘤です。

 

⑥ その他 体表 腫瘍

その他は良性の できもの(しこり)が多いですが、例外的に悪性の腫瘍もできます。疼痛(痛み)はなく、元気食欲もあることが多いです。ただし、悪性の腫瘍なら無治療で放置していると、転移や自壊してくることもあるので、無治療で様子を見ることが最良の選択肢とは限りません。

良性の体表腫瘍として、脂肪腫、毛芽腫、毛包嚢胞などがあります。

悪性の体表腫瘍として、扁平上皮癌、骨肉腫、メラノーマ、皮膚型リンパ腫などがあります。

 

今回は、うさぎさんの皮膚にできもの(しこり)を発見したときに、参考にできる情報として、発生頻度の高い できもの をまとめてみました。今回の内容を非常にざっくりとですが、参考にしやすくするためにさらにまとめると、

・鼻孔、口唇、眼瞼、陰部、肛門周辺 にできる痂疲(できもの)はウサギ梅毒
・口回り、顎と頬と目の下が腫れている(できもの・しこり)は膿瘍
・4歳以上の雌のうさぎさんのお腹にできた 腫瘍(できもの・しこり)は乳腺腫瘍
・陰嚢が大きくなっているなら精巣腫瘍か陰嚢ヘルニア
・それ以外

このことを知っているだけで、正体のわからないものを発見した怖さは、やわらぐのではないかと思います。