コラム
ネコちゃん 「猫の食性について」
残暑が厳しい日が続いておりますが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
食欲の秋、夏バテと残暑で疲れた体に、栄養のあるごはんを食べて健康を取り戻しましょう!ということで、今回はネコちゃんの食性やごはんの好みについてお話します。
ネコちゃんは肉食動物のため、雑食動物のワンちゃんよりも多くの動物性たんぱく質を必要とします。
ビタミンAやタウリン、ナイアシンなど、ネコちゃん用のフードには必要な栄養素がバランスよく含まれていますが、手作りごはんをあげる際は、栄養不足に注意が必要です。
また、ネコちゃんの食の好みは、野生の行動パターンに由来しています。
ワンちゃんの祖先とされるオオカミは、群れで行動して狩りを行うのに対し、野生のネコちゃんは群れずに、単独で狩りを行う習性があります。
ワンちゃんは、家族みんなのお腹を満たすことができる大きな動物をつかまえ、土などに埋めて貯蔵して少しずつ食べる習性があります。
一方で、野生のネコちゃんは、自分よりも小さい動物を、1日に何十回もつかまえて食べています。
これらの習性から、おうちのネコちゃんも、ごはんを1日に何十回にも分けて少しずつ食べ、また、新鮮で温かく、やわらかいごはんを好む傾向があります。
ネコちゃんの好みのごはんは、ネズミの体組成に近い、脂肪10%程度、水分量60〜70%程度といわれています。
このため、ドライフードが苦手なネコちゃんでも、ふやかすことで食べてくれる場合があります。
歯や消化管など、体の構造にも、ネコちゃんの食性が表れています。
ワンちゃんの歯が42本あるのに対し、ネコちゃんは30本しかありません。
これは、大きな動物の古くなった硬いお肉を食べる必要のあるワンちゃんに比べ、新鮮な柔らかいごはんを食べるネコちゃんは、ごはんをすり潰す臼歯が12本も少なくなっているからです。
また、ネコちゃんの胃は貯蔵性が低く、腸の長さがワンちゃんより約1.5倍短く、盲腸がほとんど機能していません。
盲腸は、植物性のごはんの繊維質などを、腸内細菌の力で発酵して消化する役割があるため、ネコちゃんが植物性のごはんをたくさん食べてしまうと、消化不良を起こしてしまいます。
ネコちゃんは好き嫌いが多く、たとえ空腹であっても、嫌いなものは食べないという、一面があるといわれています。
ネコちゃんにごはんをあげる際は、新鮮でやわらかいごはんがいつでも食べられるような状態にしてあげることが理想です。
食欲不振のネコちゃんには、ごはんを温めてあげることも1つの対処法で、ごはんの匂いが食欲を刺激する効果が期待できます。
病院では、ネコちゃんの健康診断はもちろん、ごはんの相談も行っております。
不安なこと、分からないことがございましたら、ご相談ください。