コラム
ワンちゃん「犬の胃捻転」
冬はイベントが多く、みんなが何となくそわそわした雰囲気になりますね。帰省や旅行をした方も多いのではないでしょうか。今回はそうした環境の変化などが原因の一つとなる病気のうち、胃捻転について考えてみましょう。
胃捻転は、文字通り胃がねじれてしまう病気です。何らかの原因で胃が膨らんでねじれてしまい、周囲の血管の圧迫や胃自体が壊死してしまうことがあります。原因としては、ご飯を一度に大量に食べた、ご飯の粒が小さすぎたために空気を多く呑んでしまったなど食事時の問題や、食べた直後に激しい運動をしたといった物理的な刺激による問題、さらにペットホテルや長時間のドライブなど慣れない環境に置かれたストレスといった心理的な問題が挙げられます。また、超大型犬は特に胃捻転を起こしやすい犬種と言われています。
症状としては、おなかが膨らんでいる、歯茎や舌の色が悪い、えずいているなどの初期症状から、ショック症状を起こして虚脱してしまうことがあります。胃捻転は様子を見ても自然に治ることはまずありませんので、おかしいなと思ったらすぐに病院に連れていく必要があります。
治療としては、点滴などで本人の状態を安定させるほか、胃に溜まったガスを抜いて他の臓器への圧迫を解除する、おなかを開けて捻じれた胃をもとに戻して正しい位置に固定するなどの方法があります。外科的に元に戻してあげる方法が再発率も少なく確実ですが、あまりに本人の状態が悪い場合には行えません。
予防法としては以下の通りです。
・ご飯を少しずつ与えるかゆっくり食べさせる
・大型犬では粒が大きめのご飯を選ぶ
・盗み食いをさせない
・特に嚥下障害がなければ食器は低めの位置に設置する
・食後は3~4時間は遊びを控えて安静にする(ゆっくり散歩するのはOK)
・お出かけの時はご飯をいつもより小分けにして休憩を多めに挟む
一部のワンちゃんでは病気のためにご飯が変えられなかったり食器を高く設置しなければいけなかったりと上記の対策が取れないこともあります。心配であれば病院に相談するようにしましょう。