コラム
ネコちゃん「ネコちゃんのフィラリア予防について」
暦の上では初夏を迎え、 爽やかな五月晴れに、夏の気配を感じるころになりました。
大型連休、お出かけされる方も多いのではと思います。
あたたかいこの時期に気をつけたい、フィラリア症についてお話しいたします。
フィラリア症は、別名「犬糸状虫症」ともいわれ、蚊が媒介するフィラリアが、主に心臓や肺の血管に寄生して心不全などを起こし、ワンちゃんだけでなく、ネコちゃんにも感染する病気です。
ネコちゃんに感染した幼虫は、皮下組織や筋肉で2、3ヶ月成長した後、血管に入って心臓や肺に向かい、15〜30cm位の白い紐状の成虫となります。
フィラリア成虫はネコちゃんの心臓や肺の血管で2、3年ほど生存します。
ワンちゃんは心臓や肺の血管に成虫が詰まることで咳や心臓発作、心不全による腹水などの症状が出ます。
ネコちゃんは、肺の血管などで幼虫に対して免疫反応を起こしてしまい、血管や組織に炎症が生じ、呼吸促迫、咳などの症状が表れます。
また、成虫の死骸が肺や心臓のなどの血管に詰まって循環障害が生じ、突然死を起こすこともあります。
ネコちゃんの場合、嘔吐、元気食欲低下、体重減少などの様々な症状が出ることが多く、診断が難しいとされます。
ネコちゃんは体内で成虫を死滅させると免疫反応が起こりやすく、命に関わることがあるので、駆虫薬の使用が難しく、対症療法が中心となります。
また、血液検査での確定診断が難しく、感染予防がとても重要です。
室内飼いのネコちゃんも感染リスクがあり、防虫グッズでは完全に予防することはできません。
動物病院で処方される、ネコちゃん専用のフィラリア予防薬を投与することが推奨されます。
フィラリアは、平均気温が約15℃を超えるあたたかい日が増えると寄生が起こり始めることから、関東地方をはじめ、本州各地では5月~12月頃が予防シーズンとなります。
おうちのネコちゃんをフィラリア症から守るため、定期的に予防薬の投与をしましょう。
当院では、フィラリア予防をはじめ、春の健康診断など、早期発見、治療に力を入れております。
ご心配なこと、ご不安なこと等ございましたらご相談ください。