コラム
ワンちゃん 「膀胱炎」
お散歩には心地よい日が増えてきました。もしかしたら飼い主さんには少し肌寒いかもしれませんね。しかし、熱中症のリスクは減りましたがこれから特に注意が必要な病気があります。それは、膀胱炎です。
暑い夏はワンちゃん自身も積極的にお水を欲しがったり飼い主さんがしっかりこまめに与えたりしておしっこが出やすい状態になります。しかし、涼しくなってくるとお水を飲む量が減ってしまう子がいます。そうすると、膀胱内に長時間尿がたまった状態になりやすく、膀胱に侵入した細菌が増殖してしまったり結石が生成されてしまったりして炎症を起こしてしまいます。
細菌性の膀胱炎は特に女の子で起きやすく、これは尿道が男の子よりも太く短いこと、おしっこの出口(尿道口)が肛門に近いためうんちに含まれる腸内細菌が入り込みやすいことが原因と言われています。通常は細菌が侵入しても排尿とともに外に出されますが、おしっこの回数が減ると膀胱内に細菌がとどまってしまいます。
ワンちゃんのおしっこでできる結石は、いくつか種類がありますが多くはおしっこに含まれるミネラル分が結晶化したものです。大半がストルバイト結晶(リン酸マグネシウムアンモニウム)かシュウ酸カルシウム結晶です。ストルバイトは感染症に伴って発生することが多く、おしっこがアルカリ性になると出やすくなります。原因となる感染症の治療とともにおしっこが酸性になるように食べ物を変えることで治療や再発防止ができます。しかしシュウ酸カルシウムはおしっこが酸性になると出やすくなり、一度できてしまったら溶けません。そのためできた場所によっては手術で摘出する必要があります。
上記のほかにも膀胱炎になる原因はあります。しかし症状は多くの場合共通で、何度もおしっこをしたがったり、おしっこに血などの異物が混じったり、いつもできていたおトイレができなくなったりすることが多いです。こうした症状が見られたら、すぐに病院に来院するようにしましょう。