コラム

ワンちゃん「椎間板ヘルニア」

本格的に寒い時期がやってきました。慢性痛をお持ちの方は少々しんどい時期かもしれません。そこで今回は、ワンちゃんの神経系の病気から椎間板ヘルニアについて考えてみましょう。

 

飼い主さんの中にも、椎間板ヘルニアを抱えているという方もいるかもしれません。腰痛とセットで印象付けられていることが多いですが、この病気自体は頸椎・胸椎・腰椎すべてで起こりえます。椎骨の間にある椎間板というゲル状の組織が何らかの原因で変性・変形し脊髄を圧迫することでしびれや痛み、麻痺を起こします。この変形や圧迫による症状の程度によって5段階のグレードに分かれていて、最も軽いグレードⅠ(背中を痛がる程度)では消炎剤を使ったり痛みの急性期を過ぎるまで安静にしたりなどが主な治療になりますが、最も重症のグレードⅤ(痛みや感覚が全くない)になるとこの段階に進行してからできるだけ早く手術をする必要がありますが、それでも回復できる確率は50%以下になってしまいます。

 

この椎間板ヘルニアは、怪我や激しすぎる運動が原因となるほか、遺伝的に軟骨形成に異常が出る犬種(軟骨異栄養症犬種)で特になりやすい病気です。特にミニチュア・ダックスフントは胴長の骨格の影響もあり他の犬種の10倍の発症率ともいわれています。また、椎間板の変性は加齢によっても進行しやすいため中高齢の子では特に注意が必要です。

もしおうちのワンちゃんが段差を上りたがらなくなったり抱っこを嫌がるようになったりしたら早めに病院に相談してください。