コラム
「ネコさんとチューリップ」
桃の節句を迎え、寒さも和らぎ始めた今日この頃、春の訪れが待ち遠しい季節となりました。
今回は、春のお花のチューリップについてお話しします。
チューリップは春に咲く美しいお花で、多くのご家庭や学校などで観賞用に栽培されています。
チューリップはユリ科のお花で、球根、茎、葉、花にアルカロイドという有毒な成分が含まれています。
チューリップの他にもユリ、スズラン、ヒヤシンスなども、同様の成分が含まれます。
特に球根が有毒で、ネコさんが食べると中毒になり、嘔吐、食欲不振、けいれんなどの症状がみられ、重症化すると命に関わることもあります。
また、飼い主さまも、球根に指先が触れると、皮膚炎を引き起こすこともあります。
症状は、摂取量や体重、健康状態など、ネコさんによって個体差があります。
主に、消化器と神経に下記の症状が現れることがあります。
・下痢、嘔吐
・食欲不振
・よだれが多くなる
・落ち着きがなくなる
・震えや筋肉のけいれん
・嗜眠
・呼吸困難
摂取後すぐに表れるものもありますが、数時間から24時間で症状が進行するとされています。
治療は、催吐処置や胃洗浄、吸着剤など、ネコさんの症状に応じた処置を行います。
刺激が強い物質を摂取してしまった場合、吐かせる際に食道や口腔内の粘膜を傷めてしまうことがあるため、細心の注意を払いながら処置を行います。
好奇心旺盛な子は、お花の良い香りに誘われて、お庭や鉢植え、花瓶の植物に近づくことがあります。
お部屋にお花を飾る場合は、ネコさんの手に届かないように注意が必要です。
特にネコさんはグルーミングをするため、からだについた花粉を舐めてしまう可能性があり、花粉にも気を配ることが大切です。
万が一、毒性が疑われる植物を食べてしまった場合は、できるだけ早めにご相談ください。
ネコさんと健康な生活を送ることができるよう、お手伝いできれば幸いです。