コラム

ネコちゃん「ネコさんの猫風邪」

6月4日は北米では「ネコとハグする日」として、おうちのネコさんとご家族様の絆を深めて、愛情を表現する大切な記念日とされているそうです。

今回は、ネコさんのご家族や、これからネコさんをお迎えするご家族に知って頂きたい、猫風邪、についてお話しします。

 

猫風邪、とは、ウイルスや細菌、マイコプラズマなどに感染して発症する上部呼吸器感染症の総称です。

猫ヘルペスウイルス(FHV、Feline herpes virus)、猫カリシウイルス(FCV、Feline calici virus)などが主な原因とされています。

 

飼育環境や気温の変化などのストレス、つかれなどがきっかけで体調を崩してしまうことで、を発症することがあります。

猫風邪の症状として

・鼻水やくしゃみ

・お鼻が詰まったような呼吸音

・発熱

・涙や目やにの増加

・結膜炎(FHV)

・口内炎(FCV)

・お口の違和感や痛みでお口をクチュクチュする

・よだれが増える

・口臭が強くなる

・食欲が低下する

などがみられます。

悪化すると、呼吸器の粘膜に炎症が生じて、鼻炎、副鼻腔炎、咽頭炎、気管や気管支炎、肺炎などを続発します。

温度や湿度が調整されたお部屋で安静に過ごすことで自然治癒することもありますが、二次感染を起こすと重症化することもあります。

 

猫ヘルペスウイルスは、1度感染すると体内にウイルスが残ってしまい、潜伏しているため、免疫力が低下すると再び、発症したり、ウイルスを排泄するという特徴があります。また、猫カリシウイルスも、回復しても長期間ウイルスを排泄することが多いです。

 

その他、ネコさんの呼吸音の異常や、お鼻が詰まったような呼吸音、咳などが生じる原因には、

・誤嚥

・炎症(細菌性、ウイルス性、真菌性、誤嚥性など)

・猫喘息

・歯周病

・先天性の構造上の異常(短頭種気道症候群など)

・鼻腔内異物

・腫瘍(口腔内や肺腫瘍など)

・心臓疾患

などもあります。

鑑別診断には、実際に聴診や、血液検査などの各種検査が必要となりますが、症状が出ている場合は、検査結果を待たずに治療を開始することも多いです。

猫風邪は、抗生剤や点眼薬、抗ウイルス薬などのお薬を使用したり、呼吸状態が悪い場合は、酸素化をするなど、症状に応じた治療を行います。

 

猫風邪の予防には、混合ワクチンの接種や、ネコさんがリラックスして過ごせる環境を整えてあげることがとても大切です。

当院では、混合ワクチンをはじめネコさんの予防や、病気の早期発見、治療に努め、負担の少ない検査や治療に力を入れています。

おうちのネコさんに気になる症状や、ご心配なことがございましたら、お早めにご相談ください。